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[2005年01月13日]

アミノ酸と炭水化物で筋萎縮を予防

この間恩師が手術を受けました。
内視鏡での手術なので思いのほか入院期間は短くてすみました。ところが高齢なため短期間でも、寝付くと筋肉の廃用萎縮が起こるので、足が一番弱ったとおっしゃいます。
「一生懸命歩いているけどまだフラフラするよ」と

こんな高齢者に朗報です。

病院のベッドに寝たきりの高齢患者や外傷患者,1回の飛行で何週間も無重力状態を体験する宇宙飛行士など,日常生活動作(ADL)や運動を行わない人には必ず筋萎縮が伴う。テキサス大学医学部門(テキサス州ガルベストン)のDouglas Paddon-Jones博士らは,必須アミノ酸と炭水化物の栄養サプリメントを用いて筋萎縮プロセスと闘う方法を突き止め,Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(2004; 89: 4351-4358)に発表した。

Paddon-Jones博士らは「最も驚嘆すべきは,運動をしなくてもサプリメントで筋肉量を保持できることである。28日間の床上安静期間中にサプリメントを補充すると,筋肉量の減少を抑えるという筋肉増強の刺激をもたらすことをデータは示している。しかし,筋肉量を保持しても運動などの神経・筋刺激がなければ,筋力を完全に維持することはできない」と述べている。

高齢患者に関しては,疾患やけがで病院のベッドに長期間寝たきりになると,回復できない筋力低下と筋肉量の減少が多くの高齢患者で認められる。サプリメントは多くの患者に重要な影響を与えるだろうとしている。

同博士らは,健常男子志願者(26?46歳)13例を28日間ベッドに寝たきりにさせ,うち 7 例に必須アミノ酸と炭水化物を含む飲料(サプリメント)を,6 例に栄養価のないプラセボを 1 日 3 回摂取させた。

最先端のリアルタイム筋蛋白質合成測定,生検,MRI,X線写真,筋力検査などを行い,得られたデータを検討した。その結果,サプリメント投与群では全例がもとの下肢筋肉量を保持していたのに対して,プラセボ群は平均して約 1 ポンド(約0.45kg)の下肢筋肉量を喪失したことがわかった。

下肢筋力低下は,プラセボ群がサプリメント群のほぼ 2 倍に達した(‐17.8kg対‐8.8kg)が,下肢脂肪量の増加は両群で同等であった。サプリメント群では体重に変化はなかったが,プラセボ群では平均2.4kg の体重減少が認められた。体脂肪量の増加は両群で同等であった。

16時間の複合筋蛋白質の分画合成率(fractional synthetic rate;FSR)は,サプリメント群では変化しなかったが,プラセボ群では低下傾向が認められた。

筋蛋白質動態の追跡に用いた16時間の平均フェニルアラニン消失速度は,28日間の床上安静を通じて変化しなかった。フェニルアラニンの消失は蛋白質の合成を,その存在は蛋白質の崩壊を示す。

必須アミノ酸が筋肉量喪失を抑制

サプリメント摂取後における正味のフェニルアラニン平衡の増加は,食事摂取後に比べて有意に大きくなった。対照的に,プラセボ摂取後の正味のフェニルアラニン平衡は変化しなかった。下肢血流量は,サプリメント群とプラセボ群の間で有意差は認められなかった。床上安静による変化も認められなかった。

サプリメント群には 1 日16.5gの必須アミノ酸と30gの炭水化物を投与した。水は随意に飲ませた。また,毎日 3 回の食事は 1 日栄養摂取量を等分に分け,炭水化物,脂肪,蛋白質がそれぞれ58%,27%,14%を占めるようにした。全例に床上安静を始める前 5 日間の食事安定期間を設け,前試験を行った。

Paddon-Jones博士らは,安静臥床による不活動期の筋肉量と筋力を維持するのに抵抗運動が利用できることは,既に複数の研究で示されていると指摘。しかし「病院で実際に診る患者は運動能力を損なうような障害や疾患を負う。栄養による介入は現実的で容易に施行できる数少ない代替法の 1 つかもしれない」としている。

そのうえで,同博士らは「筋力の保持には運動などの神経・筋刺激も必要とされるが,移動や運動の能力が低下した患者における筋肉量の喪失の抑制に,必須アミノ酸サプリメントの投与は便利で実用的,かつ有効な方法であるかもしれない」と結論している。

Copyright(c) 2004 Medical Tribune Inc. All Rights Reserved.

投稿者: Dr.Michiko-Daimon|投稿日:2005年01月13日 |パーマリンクコメント (0)トラックバック (1)

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